命理学講座 高木乗講述
 

命理学講座

以下は、日本推命学研究会会長の安田靖先生(故人)が、命理学講座「命理干星秘論」高木乗講述と題して、会報で発表した内容である。

年上の比肩

 生年が、比肩、敗財、劫財となるものは、両親の何れかと早く離別する人が多く、殊に地支が衰、病、死、絶とするものは、 早い場合には十才に至らないうちに、時には両親と離別の恐れがあります。

 又、時には親が有っても生活力が弱く親が有って無きが如き状態となりやすい。

 地支が、胎、養、長生、沐浴、冠帯、建禄、帝旺となるものは、その人は養子に出て却って幸いを得るものがあります。或いは早く少年期に親元を離れ独立する。 ひとつにはその親が生活力も有り先祖からの遺産を受け継いだものなどがいて、その人の幼少時には幸福に恵まれたものもいる。

しかし、 何れにしても、年支の建旺は、親や先祖の良さを示すものであってそれが永く本人の生涯の幸福に結びつくとは限らない。次に地支が墓となるものは変則的な現象となる場合があり、 それが開冲されて尅用する時は父母は永く健在であるが、その尅用がなければ、やはり父母との縁は薄い。

 次に開冲される実例を示す。

年:丁丑・比肩・ 墓
月:辛亥・偏財・ 胎
日:丁酉・  ・長生
時:壬寅・正官・ 死

年丁と時壬で木化印星
年丑と日酉で金局財星

 この命中の墓は、寅と干上の木化とによって開冲される。従って父母ともに長命であり且つ木化印星を起こして我に恵むところがある。 丑は酉と金局するが丁火の尅用があるので、木気よりの開冲を妨げない。
私の意見
 ここで注目すべきは、年の地支星12種類を大きく分けて2タイプにしたことである。墓の判断を含めれば3タイプになるが、 四柱推命の初心者が判断する場合は、胎~帝旺までと、衰~絶までの2タイプにした方がわかりやすい。

 また開冲という言葉であるが、これは墓庫が開くことを言っている。本来墓は冠帯によって墓庫が開くというが、今回の場合は、土性である丑を、 干合によって生じた木気によって、つまり木尅土で、開いたということである。